MAMPを利用したローカル環境でのWordPress(以下WP)設置方法について解説しています。
本記事では、ローカル環境にWPを新規インストール(設置)する場合についてをメインで解説しています。運用中のWPサイトをローカル環境で構築(再現)する方法については、本記事に別途項目を設けていますので、そちらをご参照ください。
留意事項
記事執筆時点でのMAMPおよびWPのバージョンは以下が最新です。以降の内容はこのバージョンをもとにしています。
- MAMP ver7.2 (2737)
- WordPress 6.8.1
事前準備
事前にMAMPのインストールや設定、WPのプログラム取得を行ないます。
MAMPのインストールや設定、MAMPでWPを利用するための設定については、以下記事をご参考ください。
- MAMPを利用してMacで開発環境を構築する
- 「.htaccessを有効化する」項目参照
- 「WordPressを利用する場合」項目参照
WPの本体プログラムは、公式サイトの以下ダウンロードページから入手できます。
ダウンロードしたWPのフォルダをPC上の任意の場所に設置します。FTPでWebサーバーにアップロードするのと同等の作業になります。
MAMPを起動し、WP用のDBを作成する
MAMPを起動して、「Preferences」の「Server」タブでドキュメントルートを指定します。
以下の例では、デスクトップ上に設置した/wordpress
フォルダをドキュメントルートとして指定しています(以降の画像は場合により一部加工しています)
MAMP画面の「Start」ボタンをクリックして、サーバーを起動します。起動時にPCのログインパスワードを求められた場合は、ログインパスワードを入力してOKボタンを押下します。
サーバーが起動したら、Start(Stop)ボタン横のWebStartボタン(飛行機アイコン)をクリックして、MAMPのスタート画面を表示します(ブラウザが立ち上がります)
MAMPスタート画面上部の「Tools」メニューの中にある「phpMyAdmin」をクリックし、phpMyAdminの画面に遷移します。
画面上部の「データベース」をクリックし、「データベースを作成する」の項目に以下を入力して「作成」ボタンを押します。
- 作成するDB名(左の入力欄)
- 照合順序は
utf8mb4_general_ci
(右のプルダウンメニューから選択)
DB名は半角英数と_(アンダーバー)
で任意の文字列を指定します。
DBを作成すると、左メニューの一覧に作成したDB名が表示されます。このDB名は、次のWPの設定画面で入力します。
phpMyAdminでの作業は以上です。
補足
運用中のWPサイトをローカル環境で構築(再現)する場合も、phpMyAdminでWP用のDBを作成してください。
WPの設定を行う
DBを作成したら、http://localhost/
(あるいはhttp://localhost:8888
)にアクセスします。
以下の画面が表示されるので、「さあ、始めましょう!」ボタンをクリックして次に進みます。
DBの情報を入力します。
- データベース名:phpMyAdminで作成したDB名
- ユーザー名:
root
- パスワード:
root
- データベースのホスト名:
localhost
(入力初期値) - テーブル接頭辞:
wp_
(入力初期値)
MAMPのDBユーザー名とパスワードは、どちらも初期値はroot
です。
入力が完了したら「送信」ボタンを押して次に進みます。
「インストール実行」ボタンを押して次に進みます。
WPディレクトリにwp-config.php
が作成され、先ほど入力したDB情報が書き込まれます。
DB接続に問題がなければ、必要情報の入力画面が表示されます。
作成するサイト名やWP管理画面のログインIDやパスワード、メールアドレスを入力して「WordPressをインストール」ボタンを押します。
補足
レンタルサーバーなどではこの後入力したメールアドレス宛にWPインストールの旨メールが届くかと思いますが、MAMPの場合は初期状態ではメール送信の設定(Sendmail)はされていないため、メールは届きません。
インストールが完了すると、「成功しました!」というメッセージと、ログイン画面へのリンクが表示されます。先ほど設定したログインIDとパスワードでログインし、WPの管理画面が表示されたらOKです。
MAMPでローカル環境にWPを設置する手順は以上です。
運用中のWPサイトをローカル環境で構築(再現)する
運用中のWPサイトをローカル環境で構築(再現)する場合は、まずサイトで利用しているDBとWPのデータ(ディレクトリ)一式をサーバーからダウンロードします。
WPのデータはFTPソフトを利用して、DBはサーバーで提供されているphpMyAdminを利用してダウンロード(エクスポート)します。DBのエクスポート手順については、以下の記事もご参考ください。
ダウンロードしたWPデータにある.htaccess
ファイルは、そのままだとローカルサーバーの設定に影響を与えてしまうため、いったんhtaccess.txt
にリネームするなどして.htaccess
を無効化しておきます。
本記事「MAMPを起動し、WP用のDBを作成する」の項目にある手順で新しくDBを作成し、作成したDBにダウンロードしたDBをインポートします。DBのインポート手順についても、上記記事をご参考ください。
ダウンロードしたWPデータのwp-config.php
を書き換えます。書き換える項目は以下です。
- DB_NAME:phpMyAdminで作成したDB名
- DB_USER:
root
- DB_PASSWORD:
root
- DB_HOST:
localhost
/** The name of the database for WordPress */
define( 'DB_NAME', 'DB名' );
/** Database username */
define( 'DB_USER', 'DBユーザー名' );
/** Database password */
define( 'DB_PASSWORD', 'DBパスワード' );
/** Database hostname */
define( 'DB_HOST', 'DBホスト名' );
この状態でhttp://localhost
にアクセスすると、サイトが表示されます。
ただし、DB内のURLなどコンテンツ内のリンクは運用中のサイトのままなので、リンクをクリックするとlocalhost
のアドレスではなく、運用中のサイトのアドレスに遷移してしまいます。このため、「Search Replace DB」を利用して、DB内のURLをhttp://localhost
に書き換えます。
DBの書き換えなど以降の手順については、以下記事をご参考ください。
運用中のWPサイトをローカル環境で構築(再現)する手順は以上です。
よくあるエラー事例
運用中のWPサイトをローカル環境で構築する際、MAMPを起動後にサイトにアクセスするとInternal Server Errorが表示される
MAMPのApache設定(httpd.conf
ファイル編集)で.htaccess
を許可する設定になっているかご確認ください。
Options Indexes FollowSymLinks
AllowOverride None
↓
Options Indexes FollowSymLinks
AllowOverride All
以下記事の「.htaccessを有効化する」項目をご参考ください。
Apache設定で.htaccess
を許可しているのにこのエラーが発生する場合は、WPフォルダ内の.htaccess
ファイルが影響を及ぼしている可能性があります(サーバーからダウンロードした.htaccess
ファイルは、PC上では不可視ファイルとなっていることがほとんどです)
いったん.htaccess
ファイルをhtaccess.txt
などにリネームして無効化した上で、正常に動作するかご確認ください。
運用中のWPサイトをローカル環境で構築する際、MAMPを起動後にサイトにアクセスすると「データベース接続エラー」が表示される
wp-config.php
で書き換えたDB情報が正しいか確認してください。
本記事の解説は以上です。